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[I-18-06] 輸送ストレスが黒毛和牛の血漿遊離アミノ酸濃度に及ぼす影響について
【目的】福岡県には子牛市場がないため県内で生産された子牛においても一旦は県外の市場に出す必要があり,離島を含め,県外から海上輸送や陸上輸送により素牛を導入せざるを得ない.福岡県をあげて肉牛飼育方法の改良を試みてはいるが,導入時に素牛に輸送ストレスによる損耗が生じているのが実情である.そこで素牛導入直後からの血漿遊離アミノ酸の推移と,輸送ストレスがかからない自家生産した牛からの血漿遊離アミノ酸の推移を比較し,アミノ酸代謝への輸送ストレスの影響を調査することにした.【方法】導入直後を0週とし,その後6週まで2週間隔で採血し,遠心濾過フィルターを用いて遊離アミノ酸を得た後にPicotagの分析に供した.【結果】11種類のアミノ酸において,導入直後の濃度は対照に比して低く,その後時間経過と共に対照の値に近づいた.しかしアミノ酸により回復までの期間は異なった.抱合胆汁酸の構成要素であるグリシンとタウリン2つのアミノ酸は,期間を通して導入した牧場で低い値を示した.輸送ストレスの影響を導入時に受けなくても,その後は導入により低い値を示すアミノ酸が認められた.アルギニンのようにストレス時に消耗するものも含まれていた.アラニンは飢餓の初期などに糖新生のために利用されるアミノ酸であり,これが高いことは栄養状態が悪い可能性を示す.そのアラニンは導入後からしばらく高い値を維持した.