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[I-18-07] 分娩前後の乳牛における血清中3-メチルヒスチジンの動態
【目的】乳牛において,分娩前後はエネルギーやタンパク質代謝に急激な変化が生じるため,骨格筋タンパク質の分解指標である血中3-メチルヒスチジン(3-MH)およびその他遊離アミノ酸濃度が変化することが報告されている.しかしながら,血清中3-MH濃度は小さく,アミノ酸自動分析計を用いた手法で定量することが困難であった.そこで,本研究では,分娩前後の乳牛を対象にLC-MS/MSを用いた血清中3-MHの定量を確立するとともに,その他血清中遊離アミノ酸との関連性について網羅的に解析した.【方法】分娩予定12週前~分娩10週後のホルスタイン種雌牛60頭より採取した血清は,除タンパク質後,3-MHはLC-MS/MS,遊離アミノ酸24種はLC-MSで定量分析した.取得データはOPLS-DAにより解析し,分娩前,分娩時(前後1週間),分娩後の3区分において特徴的な遊離アミノ酸類を探索した.【結果】血清中3-MH 濃度は,3.81-33.98 nmol/mlの範囲で検出することができた.OPLS-DAで解析した結果,分娩前はグルタミン,グルタミン酸,ヒスチジンおよびメチオニン,分娩時は3-MH,分娩後はシトルリン,グリシン,セリンおよびタウリンが増加傾向であることが判明した.さらに3-MHの動態パターンは,乳牛においてトレオニン,トリプトファンおよびバリンと相反するパターンを示すことが明らかになった.