栄養・飼養

[I-18-08] トウモロコシ子実サイレージの給与形態の違いが黒毛和種去勢牛の第一胃内性状および飼料消化性に及ぼす影響

*嶝野 英子¹、河本 英憲¹、神園 巴美¹、内野 宙¹、出口 新¹ (1. 農研機構東北農研)

【目的】輸入飼料の価格が高騰し，子実用トウモロコシなどの国産濃厚飼料生産の取り組みが広がっている．本報告ではトウモロコシ子実サイレージを分離給与もしくは発酵TMRとして給与した場合の黒毛和種去勢牛における第一胃内性状および飼料消化性を評価し，トウモロコシ子実サイレージの肥育用配合飼料代替の可能性を検討した．【方法】第一胃カニューレ装着黒毛和種去勢牛3頭を用い，1期14日間（予備期12日本期2日）の3×3ラテン方格法で試験を実施した．試験区は配合飼料の25％をトウモロコシ子実サイレージで代替し分離給与した分離給与区，稲わらを含むすべての飼料を混合して発酵TMRとして給与したTMR区，稲わらと配合飼料のみを分離給与した慣行区の3区とした．なお，分離給与区，TMR区においてはタンパク質補給のため，くず大豆を給与した．トウモロコシ子実サイレージは収穫後無破砕のままフレコンラップ法によりサイレージに調製し，試験開始時に飼料用米破砕機（デリカ製）を用いて粗挽きしたものを用いた．消化率は全糞採取法により求め，第一胃内溶液は給与後0，1，2，4，6，8時間後に採取した．【結果】第一胃内液性状において，pHはいずれの区においても5.5以上となり，酢酸優勢型の発酵を示したが，A/P比において，慣行区に比べ分離給与区，TMR区で高くなった．乾物消化率は慣行区に比べ分離給与区，TMR区で高くなった．