9:30 AM - 9:40 AM
[I-19-01] グラスおよびコーンサイレージ繊維のルーメン内消化速度を入力した飼料設計の予測乳量と実測乳量の比較
【目的】NDFのルーメン内消化速度(kd)は,飼料設計の乳量予測に影響する項目で,インビトロNDF消化率(ivNDFD)を用いて算出される.本研究では直接分析かNIRを用いて間接推定したivNDFDを用いて,グラス(GS)およびコーンサイレージ(CS)NDFのkdを算出し,飼料設計ソフトに入力することで,乳生産の予測精度が向上するか検討した.【方法】酪農大牛群(33頭)を対象に,GSとCSを粗飼料源としたTMRを供試した.試験期(12日間)を2期設け,1期は飼料乾物中でGS21.2%,CS33.0%,2期は同34.1%,7.7%のTMRを用いた.kdはGSでは飼料設計に登録された初期値,直接分析値および間接推定値を,CSは初期値と直接値を用いた.これにより,一つの飼料設計に対して6通りのkdの組合せと予測乳量が得られた.【結果】1期の実測乳量は26.8kg/dであり,2期は26.4kg/dであった.1期で予測乳量が実測乳量に最も近かったのは,CSのkdを初期値,GSでは直接値および間接値を入力した27.2kg/dであった.2期ではCSを初期値,GSに間接値を入力した26.5kg/dであった.どちらの試験期も,GSおよびCSが初期値だと予測乳量が実測乳量を上回った(1期+2.0kg,2期+2.6kg).また,GSとCSのkdを両方入力すると,予測乳量は実測乳量を下回る傾向にあった.