10:00 AM - 10:10 AM
[I-19-04] 低脂肪トウモロコシ蒸留粕の給与が乳生産成績と乳腺組織のアミノ酸取り込みに及ぼす影響
【目的】高脂肪含量のトウモロコシ蒸留粕(DDGS)をさらに加工処理した低脂肪DDGSは,可消化繊維と反芻胃内非分解性タンパク質含量の高い飼料原料とされている.本試験では混合飼料中の大豆粕およびビートパルプと代替することで,低脂肪DDGS給与が乳生産成績と乳腺組織でのアミノ酸利用に及ぼす影響について検討した.【方法】搾乳ロボットを有するフリーストール牛舎で飼養するホルスタイン種泌乳牛6頭を用い,1期14日間とする反復3×3ラテン方格法による飼養試験を実施した.混合飼料中に大豆粕とビートパルプを配合した対照区,加熱大豆粕とビートパルプを配合したHSBM区,それらの代替として低脂肪DDGS製品(Novita Nutrition社)を配合したDDGS区の3区を設けた.各期末に乾物摂取量,乳生産成績ならびに尾動脈および乳房静脈血漿中の代謝物と遊離アミノ酸の濃度を測定した.【結果】乾物摂取量,乳量,乳成分および血漿代謝物濃度には試験区による違いはなかった.DDGS区では対照区に比べ動脈血漿のロイシン濃度が高く,メチオニン濃度も高い傾向を示した.血漿アミノ酸の乳腺組織での取り込み率において,DDGS区では他の区に比べ,リジン,フェニルアラニンおよび総必須アミノ酸で低値を示した.これらのことから,今回用いた低脂肪DDGS製品の給与は必須アミノ酸の乳腺組織への供給量を高めることが示唆された.