The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養

Thu. Sep 19, 2019 9:30 AM - 11:30 AM 第I会場 (ぽらんホール(8番講義室))

座長:熊谷 元(京大院農)、嶝野 英子(農研機構東北農研)、河合 正人(北大FSC)

10:50 AM - 11:00 AM

[I-19-09] 黒毛和種牛の肥育時期による第一胃液pH、発酵産物および細菌叢構成の変化

*石塚 直樹1、牧野 博生1、Kim Yohan1、岩本 英治2、正木 達規2、生田 健太郎3、一條 俊浩1、佐藤 繁1 (1. 岩手大農 、2. 兵庫農技総セ、3. 兵庫淡路農技セ)

【目的】黒毛和種肥育牛における第一胃液性状と細菌叢構成を明らかにする目的で,肥育時期の進行に伴う変化を検討した.【材料と方法】黒毛和種去勢肥育牛9頭を供試した.肥育前期(15ヵ月齢),中期(22ヵ月齢),後期(30カ月齢)に第一胃液pHを測定し,フィステル孔を介して第一胃腹嚢底部から第一胃液を採取してVFA,LPSおよび細菌叢を解析した.細菌叢解析は細菌DNAを抽出後,次世代シークエンサー(Illumina,USA)を用いて16SrRNA配列解析を行った.細菌叢構成比の統計解析は,対応のあるt検定またはウィルコクソンの符号順位検定により行った.【結果と考察】後期には前期に比べて第一胃液のpHと酢酸濃度が有意な低値,LPS活性値は有意な高値を示した.各時期の全ての個体においてUnclassified Ruminococcaceae属,Unclassified Lachnospiraceae属およびPrevotella属が主体で,これらが全体の50%以上を占めていた.また,中期には前期に比べてPrevotella ruminicolaPrevotella brevisの構成比が有意な高値を示し,後期には他の時期に比べて細菌種の多様性が有意に低下した.以上のことから,黒毛和種牛の肥育時期進行に伴う第一胃液性状と細菌叢構成の変化は,給餌飼料のほか独特な飼養管理への適応によることが示唆された.