4:40 PM - 4:50 PM
[II-18-17] 清酒粕の飼料原料としての利用性向上およびブロイラーの腸管免疫関連遺伝子発現量に及ぼす影響
【目的】秋田県内では清酒粕の廃棄が問題視されており,有効利用法が模索されている.清酒粕は栄養価が高い上に難消化性タンパク質や麹による腸内環境を整える効果が報告されているが水分含量が高く保存性が低い.そこで,清酒粕を乾燥させ鶏飼料原料としての利用性を向上させるとともにブロイラーの腸管免疫に及ぼす影響について調査した.【方法】清酒粕を60℃で24時間乾燥させ,乾燥清酒粕とした.対照区のトウモロコシと清酒粕および乾燥清酒粕を置き換えた3処理区を設け,3週齢まで飼養したブロイラー(チャンキー種,雌雄無鑑別)を各処理区8羽ずつ配置し,試験飼料を2週間不断給餌した.飼養試験終了後,可食部重量の測定および成長成績を算出し,採取した血清中のアミノ酸濃度を測定した.また,空回腸におけるLITAF, IFNγ, MUC2, LYZ CをターゲットとしたRT-qPCRを行った.【結果】対照区と比較して清酒粕区における成長成績および可食部重量に有意な差は認められなかった.しかし,乾燥清酒粕区で有意に摂食量,増体量,可食部重量が有意に減少し,多くの血中アミノ酸濃度が低下した.清酒粕区の血清中Valは対照区に対して有意に高く,Pheが低値を示した.空腸におけるLITAFおよびMUC2発現量が清酒粕区で有意に低下し,回腸におけるLITAF発現量が清酒粕区および乾燥清酒粕区で有意に低下した.