The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

3. 繁殖・生殖工学

繁殖・生殖工学

Wed. Sep 18, 2019 2:00 PM - 4:35 PM 第IV会場 (4番講義室)

座長:田島 淳史(筑波大生命環境/T-PIRC農場)、山内 伸彦(九大院農)、横尾 正樹(秋田県大)、木村 直子(山形大)

3:00 PM - 3:10 PM

[IV-18-07] マウスへの複合的な慢性ストレス条件の構築と雌生殖能への影響

*横田 裕也1、小原 瑞歩1、木村 直子1 (1. 山形大院農)

【目的】ストレス負荷下で飼育されている雌動物は,その後の生殖能が長期的に低下することが報告されているが,詳細は十分に明らかにされていない.本研究はマウスをモデルに慢性で軽度なストレスの条件を検討し,生殖能を評価した.さらにストレス関連因子として,ヒトではストレスへの脆弱性の指標となるセロトニントランスポーター(slc6a4)およびストレスホルモンのコルチゾール関連因子Cyp11b1,Hsd11b1,Nr3c1の発現をRT-PCR法で評価した.【方法】7~9週齢のC57BL/6系WT雌マウスに2~3週間,毎日1~2種類のストレスを与えて最終日に尾懸垂試験と強制水泳試験で不動時間を計測した.その後2週間交配し,妊娠率,分娩率等の評価を行った.処理終了後に,RT-PCR法を用いて卵巣と大腸で各因子の発現量を評価した.【結果・考察】ストレス処理後の行動試験の結果は,処理区で不動時間が延長する傾向であった.処理区での性周期は発情前期の有意な減少,発情後期の有意な増加がみられた.また,妊娠率および離乳後の産仔の平均体重が上昇傾向にあった.処理区の大腸ではslc6a4とHsd11b1の発現量が高い傾向が,処理区の卵巣ではCyp11b1の発現量が低い傾向がみられた.以上からストレス処理区では正常な性周期を示さないものの,処理解除後に妊娠率が上昇したことから,生殖能が早期に回復した可能性が示された.