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[IV-18-08] 分娩後の黒毛和種繁殖雌牛における早期受胎に及ぼす要因の検討
【目的】肉用牛の効率的生産には,分娩間隔の短縮が重要である.そこで本試験は,黒毛和種の分娩後の受胎性に影響を及ぼす種々の要因について調べた.【材料および方法】初産から6産の黒毛和種56頭を供試した.子牛は母牛から1日で離した.分娩日を0日(Day 0)として,Day 10-80に超音波診断装置により長径1cm<の黄体と子宮内貯留物を10日間隔で観察した.栄養度の評価として,皮下脂肪圧計により分娩予定の1カ月前から30日間隔で皮下脂肪圧を測定した.Day 30以降,黄体確認時のPGF2α(PG)投与による誘起発情に対して人工授精を行った.1年1産の成否となるDay 80までの受胎と不受胎の群について各調査項目を比較した.【結果】Day 30までに黄体形成した割合は,受胎群が不受胎群よりも高い傾向にあった(89.7% vs. 64.7%).PGによる発情誘起率は,受胎群と不受胎群で差はなかった.子宮内貯留物スコアは,受胎群が不受胎群よりもDay 50で低かった(0.19 vs. 0.32).皮下脂肪圧スコアは受胎群では分娩前1カ月と分娩日直近で不受胎群よりもやせ気味(0.93 VS. 0.91)であった.これらのことから,分娩後に1年1産が可能なウシは,黄体が早期に形成され,また分娩前後の栄養度が比較的低い傾向であることがわかった.本研究は「繁殖性の改善による家畜の生涯生産性向上技術の開発」の助成を受けた.