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[V-18-01] 肥満2型糖尿病モデルSDT fattyラットにおける糖尿病黄斑浮腫様変化の病態生理学的解析
【目的】糖尿病黄斑浮腫は重度の視力障害をもたらすがその治療法は侵襲的な方法に限られ,新規治療法の開発には本病態を外挿し得る動物モデルの開発が望まれている.本研究では肥満2型糖尿病モデルであるSDT fattyラットの網膜病変について,その病態生理学的特徴を検討した.【方法】8週齢および16週齢の雄性SDT fattyラットを用いて,硝子体内VEGF濃度の測定,フルオレセイン蛍光色素法による血管透過性の測定,HE染色組織切片における病理組織学的解析を行った.さらにピオグリタゾン投与あるいはフロリジン投与による網膜病変の改善効果についても検討した.【結果】SDT fattyラットでは8週齢で硝子体内VEGF濃度が増加し,16週齢で網膜内の血管透過性が亢進する傾向にあった.また16週齢SDT fattyラットの網膜は肥厚しており,乳頭部から500μm部位での網膜厚を測定した結果,網膜を構成する各層で肥厚が認められた.一方,ピオグリタゾン投与あるいはフロリジン投与でSDT fattyラットの高血糖は抑制され,網膜の肥厚も明らかに抑制された.【結論】雄性SDT fattyラットの網膜では持続的な高血糖による血管透過性の亢進と網膜の肥厚が認められ,本ラットの糖尿病黄斑浮腫モデルとしての有用性が期待される.