形態・生理

[V-18-07] 食餌へのアミノ酸添加がニワトリ小腸L細胞におけるプログルカゴンmRNA発現に与える影響

*平松 浩二¹、西村 佳¹、喜多 一美² (1. 信州大農、2. 岩手大農)

【目的】ニワトリにおいて食餌へのリジン及びメチオニン添加は，回腸L細胞からのグルカゴン様ペプチド（GLP）-1の分泌に影響を与える．本研究では，その前駆体であるプログルカゴン（PG）のmRNA発現に対する食餌中へのリジン及びメチオニン添加の影響について報告する．【材料・方法】7日令の白色レグホン種オス雛24羽（平均体重82ｇ）を用いた．供試ヒナを1群6羽の4群に分け，対照群，CP0％群，CP0%＋メチオニン添加（CP0%+Met）群およびCP0%＋リジン添加（CP0%+Lys）群とした．各群において，供試ヒナに8時間毎に一日3回通常飼料（対照群）又は実験飼料を2日間強制給餌した．実験飼育後，各供試ヒナより麻酔下で回腸を摘出し，ブアン液で固定した後，定法によりパラフィン切片を作製した．オリゴヌクレオチドプローブを用いて，in situ hybridization法により，ニワトリPGmRNAの発現を調べた．また，HE染色標本において陰窩深及び陰窩当たりの細胞分裂像数を計測した．【結果】PGmRNA発現細胞は，すべての群において観察された．これらの細胞の出現頻度は，実験3群において対照群よりも小さかった．陰窩深及び1陰窩当たりの細胞分裂像数は，実験3群において対照群より有意に小さかった．【結論】アミノ酸単独ではニワトリ小腸L細胞におけるGLP産生に影響を与えない．