The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Presentation information

共催シンポジウム

ポストコロナの日本の畜産

Mon. Mar 29, 2021 3:00 PM - 6:00 PM ライブ配信

座長:佐藤 正寛(東北大院農)、小澤 壯行(日獣大応用生命)、柏崎 直巳(麻布大 )、眞鍋 昇(家畜改良センター・大阪国際大 )

共催:(公社)日本畜産学会・日本学術会議・日本畜産学アカデミー
協賛:日本ハム株式会社
視聴はこちら(配信期間:3/24~4/3)
総合討論の視聴はこちら(3/29 17:00〜18:00 ライブ配信)
パスコード:329374

※講演動画:オンデマンド配信
 総合討論:2021年3月29日(月)17:00〜18:00 ライブ配信
(講演動画は各自でご視聴ください。Zoom会場でのライブ配信は17:00から開始します。)

[CSS-03] ポストコロナの日本の養豚

〇Masahiko Kagawa1 (1.Japan Pork Producers Association)

昨年、新型コロナの発生し、早くも一年が過ぎました。2月一杯までは、通常の会議も含めて活動できていましたが4月の非常事態宣言に及んでは、WEB会議が主体となりました。特に当協会では、6月での総会で役員改選を迎えることになっており、総会をどういう形で行うのかという問題もありました。その中で、豚熱のワクチン接種地域の拡大に伴う、種豚や精液の流通対策など多くの問題に対処することになりましたが解決は出来ていません。
 また、コロナ感染に対する認識は、農場運営にどういう影響が出てくるのか理解できていませんでしたがアメリカでの職員のコロナ感染によるクラスター発生に伴う屠場閉鎖、時短稼働が報道されました。国内屠場に職員の感染かあった場合の対策等聞き取りし、会員に周知しました。その後、アメリカでは豚の屠畜が出来ず安楽死をしているとの情報もあり、国内での屠畜場での発生を心配していました。今後、どうなるのかわかりませんが各屠畜場でもシュミレーションがとられ、閉鎖ということは無いと言っていますので信じるしかありません。
 このような背景の中で、当協会では農場の管理者が感染した場合の対処を考えています。企業経営であれば、部門別に配置し、職員同士の交差をなくすようにできますし、感染しても代わりの職員で対応可能です。農家養豚であれば、家庭でも仕事場でも接触は避けられません。家族の中で感染者が出た場合は、自宅療養で症状が出なければ管理は出来るのか。また、出荷豚にはコロナウィルスは付着していないのか。そもそも出荷できるのか。いろんなことが想定されます。我々、養豚業界でも初めての経験ですから、準備をしてその時その時のことしかできません。最低の農場対策と感染を防ぐ努力を続けるしかないと思います。
 豚肉の消費についてですが、豚肉の国産自給率は約48%です。国産はテーブルルミートとして食卓への消費が大部分です。輸入豚肉は、中食・外食がメインに取り扱われています。コロナ禍による豚肉消費が巣ごもり需要となり、国産豚肉は高値安定となりました。高値ではありますが豚熱対策による防護柵・防鳥ネットとなど負担も大きくなっています。野生イノシシの豚熱感染も拡大を続けていますので精神的な負担により、経営を断念する方も増えています。一方で世界での穀物の取り合いによる飼料価格の高騰が予想されており、世界的にも畜産物の高騰が見込まれます。今後の養豚の経営基盤の縮小は避けられない状況だと思います。
 最後にアニマルウェルフェアが畜産経営にどんな形で影響が出てくるのか世界に目を向けて養豚産業の発展と継続を頑張っていかなければならないと思います。