The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

Best Presentation Award 3

Sun. Mar 28, 2021 9:00 AM - 10:45 AM ライブ配信

座長:川島 知之(宮崎大学農)、美川 智(農研機構生物機能利用研究部門)、野村 将(農研機構畜産研)、若松 純一(北海道大学)

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パスコード:328298

9:15 AM - 9:30 AM

[IIIYS-02] 黒毛和種と交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)のルーメン微生物叢の比較

〇Yoshiaki Sato1, Kento Tominaga1, Hiroaki Takebe1, Kazato Oishi1, Hajime Kumagai1, Takashi Yoshida1, Hiroyuki Hirooka1 (1.Kyoto Univ.)

【目的】近年、次世代シーケンサーによるルーメン微生物叢の解析が行われている。本研究の目的は黒毛和種と交雑種(F1;黒毛和種×ホルスタイン種)のルーメン微生物叢を比較し、その違いを明らかにすることである。【方法】同一の飼料を1ヶ月間程度給与した各6頭の黒毛和種(14.7±1.44ヶ月齢)およびF1(11.1±0.39ヶ月齢)去勢肥育牛よりルーメン液を採取した。ルーメン液よりDNAを抽出し、16S rRNAアンプリコンシーケンス(V3-V4領域)およびショットガンシーケンスを行った。前者ではα多様性(Shannon指数、アンプリコンシーケンスバリリアント(ASV)数)およびβ多様性の解析を行った。後者では微生物群集構造解析および糖質関連酵素に関する機能解析を行った。【結果】Shannon指数は差がみられなかったが、ASV数は黒毛和種で大きい傾向がみられた。また、2品種間のルーメン微生物叢に違いがみられた。黒毛和種にはRuminococcaceae科の7種(セルロース分解菌)が、F1にはPrevotellaceae科の12種の割合が有意に高かった。セルロースやヘミセルロース代謝に関する酵素群および糖結合モジュールの中に黒毛和種で高頻度に現れるものがみられた。以上より、黒毛和種はF1と比較し、炭水化物代謝に関する酵素群に違いがあり、セルロース等の繊維分解に寄与する細菌が多いことが示唆された。