The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. Nutrition/Feed science

[P1-06] ウイスキー粕を活用した肥育牛向け発酵TMRの品質と栄養価

〇Yoshitaka Nakanishi1, Yuriko Tsuru1, Namiko Nakamura2, Koji Takayama1, Ichiro Oshima1, Saori Kikuchi3, Ryoya Itagaki4 (1.Kagoshima Univ., 2.United Graduate School of Agricultural Sciences, Kagoshima Univ., 3.Komasa Jyozo CO. LTD., 4.Nippon Beet Sugar Manufacturing Co. Ltd.)

【目的】ウイスキー粕の飼料化については主に豚や乳用牛などで検討されてきたが,肉用牛への応用は見当たらない.ウイスキー粕と他の国産飼料を組み合わせることで輸入飼料に替わる肥育牛向け発酵TMRを開発するための基礎的知見を得ることを目的とし,発酵品質,採食性および栄養価を検討した.【方法】ウイスキー粕の糖化残渣(以下,MDG)と蒸留残渣(以下,MDS)を用い,MDGとMDSを原物重比で等量混合したMDG・MDS同量区,40:60で混合したMDS多給区,各々に乳酸菌添加剤(以下,LP)を加えたMDG・MDS同量LP区およびMDS多給LP区の計4区を設けた.日本飼養標準に基づき,体重300kgの肉用種去勢牛で日増体量1kgに要するCP,TDNおよび乾物量を満たすよう稲ワラ,ビートパルプおよび糖蜜を加えて飼料設計を行った.パウチ法により発酵TMRを調製し,品質が最良であった区について肥育牛の採食性を調べ,山羊の消化試験によりTDN含量を実測した.【結果】全区のpHは4.3以下,乳酸含量は原物当たり0.7%以上であり,フリーク評点はMDS多給LP区で最高かつ「優」であった.MDS多給LP区に対する肥育牛の採食性は給与後3日目で高まった.MDS多給LP区のCP含量は15.1%,TDN含量は68.5%であった.以上より,ウイスキー粕は肥育牛用の発酵TMRの材料として利用可能であることが示唆された.