[P1-15] ヒマワリ粕の反芻家畜に対する飼料価値評価
目的】蛋白質飼料は高泌乳牛の飼養において極めて重要である。ヒマワリ粕は世界的には広く用いられているが、日本国内では使用される機会の少ない飼料である。本研究では、ヒマワリ粕の反芻家畜に対する蛋白質飼料としての飼料価値をウシのパイロットアニマルであるヤギを用いて総合的に評価した。【方法】去勢雄シバヤギ4頭に基礎区としてアルファルファへキューブ(CP18%)をエネルギー維持量給与し、基礎区の乾物30%をヒマワリ粕(CP28%)に置き換えしたヒマワリ粕区、CP含量を同一する為に、基礎区の乾物10%を大豆粕(CP50%)に置換した大豆粕区の3区を設けた。全糞・全尿採取による消化試験を実施し、本試験7日目にルーメン液および血液を採取してそれぞれの特性を調べた。【結果】ヒマワリ粕のCP消化率(85%)はアルファルファより高く、大豆粕より低い値を示した。またヒマワリ粕のTDNは65%であった。吸収Nに対する蓄積N割合は大豆粕区で高かった。ルーメン内のpHおよびVFA、非揮発性有機酸濃度、NH3濃度はどの区間にも有意差が見られなかった。血液成分では血糖値とBUNで基礎区が低い値を示した。また血中ASTやALTには区間差は見られなかったが、FRAP(酸化ストレスマーカー)はヒマワリ区で中間の値を示した。希土類で測定したヒマワリ粕のルーメンからの流出速度は、大豆粕とアルファルファの中間の値を示した。