[P1-19] 乳牛における酸化チタンを用いた飼料消化率推定法の検討
【目的】酸化チタン(TiO2)は酸化クロム(Cr2O3)と同様、家畜の消化管で代謝吸収されないことから、乳牛における消化率の指標物質として有望である。そこで、酸化クロムと酸化チタンを乳牛に同時給与し、両者の糞中の濃度推移を比較するとともに全糞量採取を行い、消化率推定の指標物質としての酸化チタンの実用性を検討した。
【方法】(実験1)乾乳牛4頭に1日12gのCr2O3とTiO2を朝夕2回に分け、飼料に混合して給与した。飼料は飼料用イネWCSと尿素を98:2(DMあたり)で給与する1期14日間の動物試験を3期行った。(実験2)泌乳牛4頭に1日30gのCr2O3とTiO2を朝夕2回に分け給与し、濃厚飼料とコーンサイレージを60:40(DMあたり)で混合した飼料を給与する1期14日間の動物試験を2期行った。実験1、2において、部分糞の経時採取および5日間の全糞採取を実施した。
【結果】1) 指標物質を給与してから糞中濃度が一定に達する日数は、乾乳牛でCr7.2日、Ti7.0日、泌乳牛でCr2.5日、Ti2.8日であった。2)糞中Ti濃度が一定に達した以降のデータを用い平均値の分散を解析したところ、1日2回採糞する条件下では、乾乳牛4頭で3日以上、泌乳牛4頭で4日以上の採糞が必要であった。3)Tiの回収率は乾乳牛91%、泌乳牛90%であり、Crの回収率は乾乳牛96%、泌乳牛90%であった。
【方法】(実験1)乾乳牛4頭に1日12gのCr2O3とTiO2を朝夕2回に分け、飼料に混合して給与した。飼料は飼料用イネWCSと尿素を98:2(DMあたり)で給与する1期14日間の動物試験を3期行った。(実験2)泌乳牛4頭に1日30gのCr2O3とTiO2を朝夕2回に分け給与し、濃厚飼料とコーンサイレージを60:40(DMあたり)で混合した飼料を給与する1期14日間の動物試験を2期行った。実験1、2において、部分糞の経時採取および5日間の全糞採取を実施した。
【結果】1) 指標物質を給与してから糞中濃度が一定に達する日数は、乾乳牛でCr7.2日、Ti7.0日、泌乳牛でCr2.5日、Ti2.8日であった。2)糞中Ti濃度が一定に達した以降のデータを用い平均値の分散を解析したところ、1日2回採糞する条件下では、乾乳牛4頭で3日以上、泌乳牛4頭で4日以上の採糞が必要であった。3)Tiの回収率は乾乳牛91%、泌乳牛90%であり、Crの回収率は乾乳牛96%、泌乳牛90%であった。