The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. Nutrition/Feed science

[P1-20] ルーメンにおけるCN供給バランスを制御した低CP飼料の給与が泌乳牛の窒素代謝に及ぼす影響

〇Kouji HIGUCHI1, Itoko NONAKA1, Fumihiro OHTANI1, Yosuke KOBAYASHI1, Takumi SHINKAI1, Akira YAJIMA2, Takashi OSADA1 (1.Institute of Livestock and Grassland Science, NARO, 2.Hokkaido Agricultural Research Center, NARO)

【目的】第116回大会において、高CP飼料を泌乳牛に給与する場合、ルーメンにおけるCN供給バランスを適正化することにより窒素の利用効率が向上することを示した。本研究ではCN供給バランスを適正化した低CP飼料と、CN供給バランスを適正化していない高CP飼料を泌乳牛に給与した場合の窒素代謝を比較した。

【方法】トウモロコシサイレージを共通とし、濃厚飼料に圧ペントウモロコシと大豆粕を主体とした高CP飼料(CP16.3%)、および大麦、エンバク、ビール粕を主体とした低CP飼料(CP13.4%)の2種を供試した。これをホルスタイン種泌乳中後期牛4頭(平均体重594kg、乳量28kg)に、代謝エネルギーの充足量を1期2週間のクロスオーバー法に従い定量給与した。開放型呼吸試験装置において全フン尿採取ならびに窒素出納測定を実施した。

【結果】両区で乾物摂取量、乳量・乳成分には差はなかったが、低CP飼料の乾物消化率は低かった。フンへの窒素排泄量には差はなかったが、尿への窒素排泄ならびに揮散アンモニア量は低CP飼料で少なかった。給餌前後のルーメン液アンモニア態窒素濃度ならびに全尿中プリン代謝物排泄量はいずれも低CP飼料で低かった。以上の結果は、CN供給バランスを適正化した低CP飼料は窒素の利用効率を高め、高CP飼料と比べて同程度の生産ができる可能性を示す結果と考えられたが、消化率の低下が課題となった。