[P1-31] 初乳粉末を配合した代用乳の給与が子牛の下痢発生および腸内細菌叢に及ぼす影響
【⽬的】新⽣⼦⽜への初乳給与は不可⽋だが、出⽣当⽇以降も移⾏乳給与や常乳への初乳添加による⼦ ⽜の下痢発⽣低下や全⾝の免疫状態改善が報告されている。本研究では初乳粉末配合代⽤乳の給与が⼦ ⽜の下痢発⽣および腸内細菌叢に及ぼす影響を調査した。【⽅法】哺育預託牧場に移動直後の⽣後4-8 ⽇齢のホルスタイン種雌哺乳⽜30頭を15頭ずつ2群に分けた。移動⽇を試験開始⽇とし、供試飼料は 移動直後から14⽇間、対照区は⼀般的な代⽤乳、試験区は初乳粉末配合代⽤乳を給与した。試験開始 当⽇、開始7⽇後、開始14⽇後の糞便を採取し、腸内細菌叢の解析に⽤いた。また試験開始0-21⽇間 の下痢発症、処置履歴を記録した。【結果】下痢処置率は対照区で20.4%、試験区で13.1%であり、 下痢発症⽜あたりの処置⽇数は試験区で有意に低下した。腸内細菌叢解析は個体ごとに試験開始⽇を基 準として⽐較し、T-RFLP解析では試験区で開始7⽇⽬のActinobacteria⾨が増加した。リアルタイム PCRでは、試験区で7⽇⽬のビフィズス菌の顕著な増加および7、14⽇⽬の乳酸菌の低下抑制が確認さ れた。以上より、初乳粉末配合代⽤乳の給与により若齢時の移動などのストレス環境下にて腸内細菌叢 を変化させ、健全な状態の維持に寄与する可能性が⽰唆された。