The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. Nutrition/Feed science

[P1-40] 荒廃農地を用いた放牧飼養における乳用ヤギの乳の性状と成分の推移

〇Yoshiaki Hayashi1, Tomomi Mashiko1, Maya Ueno1 (1.Meijo Univ.)

【目的】近年,ヤギは乳用家畜としての利用が国内外で注目されている.ヤギの飼養頭数は世界で急増しており,国内でも微増傾向にある.ヤギ乳は乳アレルギーの一因子であるαS1-カゼインが牛乳より少なく,その機能性や高い消化性も注目される.一方,国内では農業地域での労働不足等により,再生利用困難な荒廃農地が増加している.その中,荒廃農地での放牧により野草を飼料利用し,ヤギ乳を生産する農場が存在する.しかし,国内の放牧飼養でのヤギ乳の生産性に関する検証はない.そこで荒廃農地を用いた放牧飼養での乳用ヤギの乳の性状と成分の推移を調べた.【方法】長野県内の一農場で飼養される泌乳ヤギ20頭を供試し,5月から10月の毎月の各個体の体重測定と乳試料採取を行った.ヤギの泌乳期間中,8時から16時は農場近隣の複数の荒廃農地でヤギを放牧し,濃厚飼料は無給与であった.乳試料の性状と成分を測定し,その推移を示した.【結果】体重は月間差がなく,平均で56.7 kgであった.乳の比重も月間差はなく,pHと酸度では一部で月間差があったが,各々6.5前後と0.13%前後で推移した.乳タンパク質は9月以降で増加,乳脂肪は7月以降で減少した(P<0.05).CaとNaは各々7月と8月以降で増加した(P<0.05)が,PとKに特徴的な推移はなかった.泌乳期の経過に伴う乳タンパク質,Ca,Naの増加と乳脂肪の減少が確認された.