The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. Nutrition/Feed science

[P1-57] 肝臓非実質細胞における鉄負荷に対する応答

〇Mayuko Ikeda1, Masaru Murakami2, Masayuki Funaba1, Toru Matsui1 (1.Kyoto Univ., 2.Azabu Univ.)

【目的】鉄過剰は酸化ストレスを引き起こし、家畜の生産性に負の影響を与える。鉄過剰は肝臓において感知され、肝細胞においてヘプシジンが産生され、鉄吸収を抑制することによりさらなる鉄過剰を防御する。ヘプシジン発現は肝臓非実質細胞(類洞内皮細胞、クッパー細胞、肝星細胞)で産生されるBMP6やサイトカイン類によって調節されているものの詳細は不明である。本研究では、肝臓非実質細胞における鉄負荷に対する応答について検討した。【方法】類洞内皮細胞としてヒト由来SK-Hep1、クッパー細胞としてマウス由来KUP5、肝星細胞としてラット由来RI-T細胞株を用いて、鉄蓄積をFerroOrange染色により、フェロトーシス(鉄過剰による細胞死)をBODIPY 581/591染色により、BMP6など関連遺伝子の発現をRT-qPCR法により評価した。【結果および考察】いずれの細胞においても鉄処理48時間後において、用量依存的な鉄蓄積が認められたが、フェロトーシスは認められなかった。SK-Hep1細胞において、単独培養では鉄処理によりBMP6、IL-6発現が増加したが、KUP5細胞存在下でその発現誘導は起きなかった。RI-T細胞におけるIL-6発現は、KUP5細胞とSK-Hep1細胞が共存すると顕著に増加した。以上の結果、鉄負荷に対する肝臓非実質細胞の応答は別種の非実質細胞の影響を受けることが明らかになった。