The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. Genetics/Breeding

[P2-02] マウスの雑種強勢と臓器重量に関わるQTLのファインマッピングと候補遺伝子の探索

〇Akira Ishikawa1, Daigo Matsumaru1 (1.Grad. Sch. Bioagr. Sci., Nagoya University)

[目的]マウス第2染色体上には体重や臓器重量等に関わる多くのQTLが発見されている。本研究では、これらのうち、雑種強勢QTL (Pbwg1.10)と腎臓重量QTL (Pbwg1.51)のファインマッピングを行い、その候補遺伝子を探索した。[方法]野生マウス由来のゲノム領域をC57BL/6JJcl (B6)系統に導入したサブコンジェニック系統B6.Cg-Pbwg1/19Nga (SR19)とB6.Cg-Pbwg1/22Nga (SR22)をそれぞれB6系統に交配しF2集団を作製し、1、3、6、8、10週齢体重、10週齢体長と臓器重量を測定した。リアルタイムRT-qPCR法により、空腸GcgDpp4Glp1r遺伝子のmRNA発現量を測定した。[結果](SR22×B6) F2では、体重と体長に雑種強勢が確認され、野生由来アレルのホモ接合型マウスの腎臓重量は有意に重くなった。一方、(SR19×B6) F2では、有意差はみられなかった。以上の結果より、Pbwg1.10Pbwg1.51を第2染色体上のゲノム領域7.8 Mb内に限定することができた。(SR22×B6) F2の遺伝子発現解析と因果推論テストの結果、雄の3-6週齢体重増加量、Dpp4発現量と遺伝子型との間に因果関係はみなかったが、雑種強勢に間接的に影響している可能性が示唆された。腎臓重量では因果関係は全くみられなかった。