The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. Genetics/Breeding

[P2-23] 広域データの利用における遺伝的能力評価への影響

〇Aisaku Arakawa1, Toshihiro Okamura1, Motohide Nishio1, Kazuo Ishii1 (1.NARO Livestock)

【目的】ブタの広域能力評価では異なる農場の個体間に遺伝的関係性を持たせる血縁関係の連結が求められる。一方で、ゲノム情報による血縁関係の補間では動物の血縁関係を必要としない。そこで、本研究では、農場間の血縁関係の補間にゲノム情報を利用した場合の遺伝的能力評価の正確度について検討した。【方法】QMSimによりAからDの4つの異なる農場を発生させた。各農場では7世代の選抜および5世代の維持を行った。各世代10頭の雄と50頭の雌から構成され、1頭の雌は10頭の後代を生産した。AからCでは8世代目で個体の交換を行い、Dとは交換を行わなかった。表現型は雌で持つとした。ゲノム情報は、10から12世代目で収集した。遺伝率は、系統造成開始-10世代目を0.1と仮定し、QTLがそれの90%を説明した。12世代目は表現型を持たないとし、推定した育種価と真値との相関係数を求めた。メタファウンダーを想定したSingle-Step(SS)法もしくはゲノム情報を用いないP法により育種価を推定した。【結果】育種価の相関係数は、D農場のデータを加えた場合、SS法では0.66であったが、D農場のデータを加えなかった場合、SS法の正確度は0.65であった。P法ではいずれの場合でも0.61の正確度であった。大規模データにおいては、ゲノム情報による血縁の補間の有用性は認められなかった。