The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

3. 繁殖・生殖工学

3. Reproduction/Reproductive technology

[P3-01] AI(人工知能)を活用した母豚発情検知技術の開発

〇Daisuke Uchida1, Yusuke Oshiro2, Masaki Okuda1, Sho Izawa1, Shin Sukegawa1, Naoki Morishita1 (1.NH Foods Ltd. , 2.NTT DATA Corporation)

【目的】

養豚産業において母豚の発情を正確に検知して交配することは養豚場の生産性に直結する。発情検知は熟練した技術を基にした作業者による判断に依存しているが、近年の畜産業界は人材の高齢化、従事者の減少という問題を抱えており、このような属人的な発情検知技術の継承が将来的には困難になる可能性がある。そこで本課題解決のため、AI(人工知能)を用いて属人的技術に依らない豚の発情検知技術の開発を実施した。

【手法】

 初産および離乳後のストール飼育母豚を対象とし、発情の有無は飼育員の判定に基づいて判断し、交配後に受胎及び分娩した母豚のみを用いた。母豚の行動はカメラ画像から機械学習によって判定・集計し、発情前と発情時の行動変化を分析した。さらに見出した行動変化を特徴量として発情を予測するAIを構築し、192頭の母豚に対してAIの発情判定と実際の発情判定との一致を比較した。

【結果・考察】
 発情と関連する行動として夜間から早朝にかけての姿勢分類(立位、座位、伏臥位、横臥位)及び起立時間が特徴量として優れていた。機械学習モデルは複数のアルゴリズムで比較した結果、LightGBMを採用した。これらを基に構築した発情予測AIが発情と予測した場合、飼育員の判断と91.4% 一致した。以上のことから、映像から自動で発情を予測する本技術は養豚における発情検知技術の平準化、労務負担軽減に繋がると考えられる。