The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Presentation information

ポスター発表

3. 繁殖・生殖工学

3. Reproduction/Reproductive technology

[P3-15] マウスの胎盤接着部における妊娠後期の補体成分の発現・産生動態とMAC形成

〇Nana Sasaki1, Yoshihito Suda1 (1.Miyagi University)

【目的】哺乳類における胎仔と母体間の妊娠維持メカニズムは十分に解明されてはいない。母体にとって異物である胎仔に対する胎盤接着部における妊娠後期の補体成分の発現・産生動態とMAC形成に関する検討を行った。【方法】マウス近交系ICR系統♀由来で交配確認後17日目の胎仔計27頭を供試し,胎盤,子宮内膜上皮,臍帯付き胎盤等を採取した。胎盤と子宮内膜上皮から総RNAと総タンパク質を抽出し,全組織をOCT凍結ブロックに加工して分析時まで-80℃で保管した。C3, C6, C7, C9,IFN-γ, MCP-1, IL10, TGF-βの各mRNA相対発現量を調査し,またC3, C3b, MACのタンパク質発現や形成と胎盤接着部のCD59の発現を調査した。【結果】C3,C3bは胎盤と子宮内膜上皮で強い発現と産生がみとめられた。また膜侵襲複合体(MAC)の形成因子であるC7からC9の発現が胎盤においてみとめられ,特にC6とC9 は子宮内膜上皮よりも高かった(p<0.05)。基底脱落膜層においてMAC形成を示すシグナルがみとめられた。一方で,MAC形成阻害因子であるCD59の発現もみとめられた(p<0.05)。胎盤接着部では炎症性サイトカインが有意に発現する一方で,抗炎症性サイトカインIL-10の発現量も高くなり(p<0.05),炎症応答が抑制されていることが明らかとなった。