The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

3. 繁殖・生殖工学

3. Reproduction/Reproductive technology

[P3-23] 人為的活性化後のジャスプラキノリド処理はブタ単為発生胚の発生能を改善する

〇Kasumi Noguchi1, Takehiro Himaki1 (1.Gifu univ.)

【目的】アクチンフィラメントは胚の正常な発生に必要である。しかし、体細胞クローン胚の作出過程で用いられるアクチン重合阻害剤であるサイトカラシンB (CB) が胚発生に悪影響を及ぼす可能性が示唆されている。そこで、体細胞クローン胚と同様の活性化方法で作出したブタ単為発生胚を用いて、アクチン重合安定化剤であるジャスプラキノリド (JAS) 処理が発生能に及ぼす影響について検討した。【方法】42時間の成熟培養後、第一極体放出卵子を成熟卵子として選抜した。成熟卵子は電気刺激によって活性化を誘起し、CB (5.0 µg/ml) を用いて2時間の第二極体放出抑制処理を行った。その後、種々濃度 (0, 50, 100または200 nM) のJASによる2、6または10時間のアクチン重合促進処理を行い、発生培養した。活性化12時間後に活性化率ならびに第二極体放出抑制率、1および2日後に卵割率、7日後に胚盤胞形成率および総細胞数を算出した。【結果】活性化率は、すべての処理区において高い割合となり、JAS処理は前核形成を阻害しないことが明らかとなった。発生状況では、6時間の50 nM処理が0 nM処理区と比較して、2日後の卵割率では高い傾向を示し、胚盤胞形成率では有意に高くなった (23.7 % vs. 33.5 %) (p<0.05)。【結論】ブタ単為発生胚における人為的活性化後の6時間50 nM JAS処理は体外発生能を改善する。