The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

5. 畜産物利用

5. Animal products technology

[P5-28] フィタン酸の給与がマウスの組織脂肪酸組成に与える影響

Tomonori Nakanishi1, 〇Ryoji Suzuki2, Hiroyuki Sakakibara1, Kazuhiro Sugamoto3, Satoshi Kawahara1 (1.Faculty of Agriculture, University of Miyazaki, 2.Interdisciplinary Graduate School of Agriculture and Engineering, 3.Faculty of Engineering, University of Miyazaki)

【目的】フィタン酸は牛乳や牛肉に含まれる機能性脂質として注目を集めており、培養細胞レベルの検討で、免疫調節作用などの生理活性が示されている。本研究では、動物個体レベルでのフィタン酸の作用についての基礎的知見を得るため、フィタン酸の給与がマウスの組織脂肪酸組成に与える影響を調査した。【方法】6週齢の雌C57BL/6マウスを試験に供し、フィタン酸を0.00%もしくは0.05%含むAIN-93M組成の餌を与えた。4週間の飼育後、マウスをと屠殺し、子宮周辺脂肪組織、肝臓および脳を摘出した。それぞれの組織から総脂質を抽出し、ガスクロマトグラフィーにて脂肪酸組成を分析した。【結果】フィタン酸を摂取したマウスの脂肪組織では、フィタン酸およびその代謝物であるプリスタン酸が蓄積し、また、リグノセリン酸などの組成比が有意に減少していた。また、フィタン酸を摂取したマウスの肝臓では、フィタン酸やプリスタン酸は検出されなかったものの、ミリスチン酸やパルミチン酸などの飽和脂肪酸の組成比が有意に減少し、一方でリノール酸やドコサヘキサエン酸などの多価不飽和脂肪酸の組成比は有意に増加していた。脳においても、フィタン酸やプリスタン酸は検出されず、また、他の組織に比べ、脳の脂肪酸組成に対するフィタン酸摂取の影響は軽微なものであった。