The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. Management/Environment

[P6-19] 2シーズン反復試験による、BLV伝播高リスク牛とおとり牛を用いたBLV伝播阻止放牧コンセプトの効果検証

〇Satoshi Haga1, Hiroshi Ishizaki1 (1.NARO)

牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)感染に起因する地方病性牛伝染性リンパ腫の発生数は増え続け、未発症でも感染牛における生産性低下が報告されている。一方、BLV伝播を媒介する吸血昆虫は放牧地では特に制御が困難であり、放牧牛におけるBLV感染対策が大きな課題である。そこで本研究では、BLV伝播阻止を目指した放牧対策コンセプトを立案し有用性を検証した。【方法】栃木県北地域の実証試験地において黒毛和種親子放牧を、2019および2020年の各4~11月に実施した。牧区は、感染源区《陽性母牛3頭(感染源)、おとり牛として陰性母牛2頭およびそれらの産子5頭》と対策区《陰性母牛2頭と産子2頭》とした。陽性母牛の条件はBLVプロウイルス量1000コピー/50ng of gDNA以上の伝播高リスク牛とした。実施コンセプトは、以下3策①牧区間に5m幅分離帯と②分離帯内にアブトラップの設置、③耳標型駆除剤を少頭数の対策区牛に装着、に加えて人為的感染を防ぐため作業順序や器具洗浄等を徹底した飼養管理作業ルールの順守とした。定期採血しqPCR法にて血中プロウイルス定量を行った。また、トラップにより捕虫したアブ、サシバエの個体数を計数した。【結果】2シーズンを総じて、感染源区ではおとり牛の母牛2頭と子牛2頭の感染が確認されたが、対策区では感染は一切確認されなかったため、本伝播阻止放牧コンセプトの有用性が示唆された。