The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. Management/Environment

[P6-28] アミノ酸バランス改善飼料の給与が産卵前期の採卵鶏の鶏糞堆肥化過程で発生する温室効果ガス排出量に及ぼす影響

〇Wataru Iio1, Kaoru Yamashita1, Risa Shimada1, Yasutoshi Haga1, Takashi Osada2 (1.Ibaraki pref. Livestock Res. Cen., 2.NILGS)

【目的】畜産由来の温室効果ガス(GHG)排出削減方法には、結晶性アミノ酸を添加しCPを低下させたアミノ酸バランス改善飼料(バランス飼料)の給与が知られている。バランス飼料のGHG排出削減効果は豚や肉用鶏での報告はあるが、採卵鶏での報告はまだ報告されていない。そこで、産卵前期の採卵鶏にバランス飼料を給与し、鶏糞の堆肥化過程で排出されるGHG排出削減効果を検証した。

【方法】200~300日齢の採卵鶏にCPを慣行飼料より2ポイント低下させたバランス飼料を給与し、慣行区と比較した。測定項目は、摂食量および鶏糞量、産卵率、卵重等を測定した。また、堆肥化過程で排出された環境負荷ガス(N2O、CH4、NH3)を、専用チャンバーおよびマルチガスモニターを用いて分析を行った。

【結果】飼養試験の結果、両区において摂食量および鶏糞量に有意な差は認められなかった。また、産卵率や卵重には両区間で有意な差が認められなかった。しかし、窒素排出量は試験区で有意な低下が認められた。さらに、堆肥化過程で排出された環境負荷ガスについても、排出量の低下が認められた。これらのことから、バランス飼料を産卵前期の採卵鶏に給与することにより、鶏卵生産には影響を与えず、堆肥化過程で排出される環境負荷ガスを低下させることができることが示唆された。