[I-15-14] TMR調製時の撹拌時間が泌乳牛の選択採食および乳生産におよぼす影響
【目的】TMR調製時のミキサー撹拌時間の延長は，選択採食の程度を減らすことが期待される。本研究では細切グラスサイレージ（GS），または粗く切断したイネ科ロールサイレージ（RS）を用いて，TMR調製時の撹拌時間の違いが選択採食および乳生産におよぼす影響を検討した。【方法】本学フリーストール牛舎で飼養するホルスタイン種泌乳牛33頭に撹拌時間の異なるTMRを給与した。撹拌時間は15分（短撹拌区）および35分（長撹拌区）とした。試験1では細切したGSおよびコーンサイレージ（CS），試験2では粗く切断したRS，GSおよびCSを粗飼料源とした。試験は11日間を馴致期，残りの3日間を本試験期とした。本試験期では乳量，採食量，採食行動および選択採食指数を測定した。【結果】試験1では撹拌時間を長くすることにより選択採食の程度が減少した。乳量および採食時間に撹拌時間による差は認められなかった。長撹拌区は短撹拌区よりもDMIが1.9kg/d多く，反芻時間は92.6分増え，MUN濃度は低下した。試験2ではDMIは短撹拌区よりも長撹拌区において1.3kg/d多かった。長撹拌区は短撹拌区よりも選択採食の程度が減少したが，乳量，乳成分，採食および反芻時間に撹拌時間による差は認められなかった。