[I-15-15] 黒毛和種育成牛の高増体時におけるタンパク質増給効果
【目的】近年、肉用牛の肥育開始時月齢の早期化に伴い、黒毛和種牛の育成期における日増体量（DG）も大きくなる傾向にある。しかし、高DG時の適正なタンパク質給与水準は必ずしも明らかではない。そこで、育成期高DG時のタンパク質増給効果について飼養試験により検討した。【方法】6場所において黒毛和種育成牛各6~14頭を供試し、4~8ヵ月齢までの4か月間の飼養試験を延べ7回行った。各試験では、各場の慣行管理によりDG1.1kgを目標とした対照区と、配合飼料給与量（4.5kg/日を上限）の1割程度を加熱大豆粕または大豆粕によって置換した試験区の2区を設定した。測定項目は、乾物摂取量（DMI）、体重とし、血液性状では、尿素窒素（BUN）、総コレステロール（TCHO）、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ（AST）について分析を行った。【結果】対照区および試験区のDMI、 DG、 終了時体重、粗タンパク質（CP）充足率は順に5.31、5.50kg、1.09、1.12kg、266, 274kg、125、144%であり、DMIでは5％水準で、CP充足率では0.１％水準で有意差が認められたが、DGおよび終了時体重では差は認められなかった。血液性状については、試験区のBUNは対照区に比べて高い値を示した(P<0.05)が、 TCHO、ASTでは差は認められなかった。