[I-15-25] 発育不良子豚の腸粘膜上皮形態および腸内細菌叢代謝産物濃度的な特徴
母豚繁殖成績の改良により,産子数が増加する一方で子豚の生時体重の減少がみられ,今後の養豚経営では重要な課題となっている.極端に生時体重が低い個体は子宮内発育不良子豚(ヒネ豚)と言われ,離乳以降も肝臓の形態的・機能的異常が継続するなど,健常な豚とは代謝が大きく異なる点が報告されている.
本研究では,ヒネ豚腸管における構造的,機能的な特徴を捉えることを目的として,同一豚房内で飼育している72日齢LWDのヒネ豚(平均体重19.0±3.3kg)と健常豚(平均体重31.0±1.9kg)各6頭を解剖した.血管各部位から採血後,腸管各部位から組織および内容物を採取し,病理組織学的な絨毛高および陰窩深の測定,及び内容物及び血中の短鎖脂肪酸(SCFA)濃度測定に供した.
ヒネ豚は健常豚に比べ体重当たり小腸および肝臓重量が高値を,空腸および回腸における絨毛高が低値を,空腸における陰窩深が高値を示した.遠位結腸内容物中の酢酸濃度が高値を,直腸内容物中の酢酸およびn-酪酸濃度が高値を示した.逆に,門脈血中の酢酸,プロピオン酸およびn-酪酸濃度など多くのSCFAが低値を示した.
以上の結果から,ヒネ豚は健常豚に比べ,小腸における栄養吸収能力が低いだけでなく,大腸におけるSCFA吸収能も低い可能性が示唆された.ヒネ豚の腸管吸収能を改善できれば,育成成績は改善できるかもしれない.
本研究では,ヒネ豚腸管における構造的,機能的な特徴を捉えることを目的として,同一豚房内で飼育している72日齢LWDのヒネ豚(平均体重19.0±3.3kg)と健常豚(平均体重31.0±1.9kg)各6頭を解剖した.血管各部位から採血後,腸管各部位から組織および内容物を採取し,病理組織学的な絨毛高および陰窩深の測定,及び内容物及び血中の短鎖脂肪酸(SCFA)濃度測定に供した.
ヒネ豚は健常豚に比べ体重当たり小腸および肝臓重量が高値を,空腸および回腸における絨毛高が低値を,空腸における陰窩深が高値を示した.遠位結腸内容物中の酢酸濃度が高値を,直腸内容物中の酢酸およびn-酪酸濃度が高値を示した.逆に,門脈血中の酢酸,プロピオン酸およびn-酪酸濃度など多くのSCFAが低値を示した.
以上の結果から,ヒネ豚は健常豚に比べ,小腸における栄養吸収能力が低いだけでなく,大腸におけるSCFA吸収能も低い可能性が示唆された.ヒネ豚の腸管吸収能を改善できれば,育成成績は改善できるかもしれない.