[II-15-01] 自動搾乳機における搾乳の成否に影響する体型的特徴の調査
【目的】本研究では、自動搾乳機(搾乳ロボット)による搾乳の成功が多い個体の体型的特徴を調査した。【方法】分析には、日本ホルスタイン登録協会が集積した北海道において搾乳ロボットを導入している農家の初産のホルスタイン雌牛10,286頭の体型審査記録と牛群検定により集積された搾乳ロボットの搾乳記録を使用した。ロボット搾乳による搾乳が成功しやすい個体の体型的特徴を調査するため、体型審査日から31日前後以内の搾乳記録において、1日の搾乳の中で成功回数が失敗回数を下回ることがなかった個体を成功牛(7,684頭)、失敗回数が成功回数を上回ったことがある個体を失敗牛(2,602頭)とした。分析にはSASのGLMプロシジャを利用し、分散分析により各体型形質に対する成功牛または失敗牛(搾乳成否)の効果の推定値を求めた。線形モデルには牛群-分娩年、審査員-審査年度、審査時月齢、泌乳ステージおよび搾乳成否を母数効果として含めた。【結果】搾乳成否の効果は得点形質である外貌と骨格、肢蹄、乳用強健性、乳器および決定得点、線形形質である高さ、胸の幅、体の深さ、鋭角性、後肢側望、前乳房の付着、前乳頭の配置、前乳頭の長さ、後乳頭の配置および歩様において有意であった。特に、成功牛では失敗牛に比べて、乳房の付着が強く、前乳頭が長く、前後の乳頭の配置が正確であり、歩様の動作が望ましかった。