育種・遺伝1

[II-15-13] 北海道十勝地方における黒毛和種繁殖雌牛の体型測定値の年次的推移

*Katsuya Suzuki¹, Itaru Yamanaka², Daisuke Kishi³, Keigo Kuchida¹, Koichi Hagiya¹ (1. Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 2. Tokachi Federation of Agricultural Cooperatives., 3. Hokkaido Dairy and Livestock Association)

【目的】黒毛和種の繁殖雌牛は、年次とともに繁殖能力および体型が変化していることが明らかにされている。本研究では北海道内の十勝地方を中心とした黒毛和種繁殖雌牛の体型測定値に影響を与える要因を調査するとともに、その年次的推移を調査した。
【方法】データは1973年から2020年の間に基本・本原登録を行った黒毛和種繁殖雌牛（n=81,517）について、（一社）北海道酪農畜産協会が集積した審査記録、および体型測定値を使用した。分析対象とした形質は、登録得点、体高、十字部高、体長、胸囲、胸深、胸幅、尻長、腰角幅、かん幅、および座骨幅の11部位である。分析では、各形質に影響を与える要因として、登録年月（482水準）、月齢（16水準）、飼養農家（630水準）、および審査委員（454水準）を考慮した。データ編集において登録年が1980年以前、月齢が30ヵ月齢以上であった記録は、それぞれ同一グループを割り当てた。分析はRのGLMプロシジャを用いて最小2乗分散分析法で行った。
【結果】全形質に対する登録年月、月齢、飼養農家、および審査委員の効果はすべて0.1%水準で有意であった。登録年月の効果は、登録得点において1980年から1990年にかけて年あたり0.02点程度増加した。体高と胸囲においては全期間を通じて緩やかに増加した。月齢効果は、月齢の進行にともなって登録得点が減少し、他の形質はいずれも増加した。