The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

3. Reproduction・Reproductive technology

繁殖・生殖工学

Wed. Sep 15, 2021 9:00 AM - 11:30 AM 繁殖・生殖工学 (オンライン)

Chairperson:Shuichi Matsuyama, Hiromichi Matsumoto, Satoshi Sugimira, Shusei Mizushima

[III-15-04] 卵巣除去処置および子宮上皮特異的Lifr欠損マウスによる着床遅延

*Ayumi Suyama1, Nakamura Sakura2, Kageyama Atsuko1, Terakawa Jumpei1,2, Ito Junya1,2,3, Kashiwazaki Naomi1,2 (1. Graduate school of Veterinary Science, Azabu Univ, 2. School of Veterinary Medicine, Azabu Univ, 3. Center for Human and Animal Symbiosis Science, Azabu Univ)

哺乳類の一部では,胚が一定期間着床しない「着床遅延」が起こるが,詳細なメカニズムは不明である.本研究では,外科的卵巣除去あるいは子宮上皮特異的Lifr欠損マウス(Lifrd/d)を用いて着床遅延について調べた.①野生型雌マウスの膣栓確認日をDay1とした.Day3の夕方に卵巣を除去し,プロジェステロンカプセルを皮下に埋め,約6日間の着床遅延(6 days delay:6D)を誘起した(Day4+6D).また,それらの子宮組織を野生型Day4.25(着床前日)マウスと比較した.②マウス胚着床に必須な白血病阻止因子(LIF)の受容体Lifrに着目し,Lifrd/dマウスを作製し,着床遅延について調べた.①Day4+6Dの子宮を灌流すると胚盤胞が回収された.また,Day4+6Dの子宮組織は野生型Day4.25と形態学的に違いが見られなかった.さらに,野生型Day4.25の子宮上皮では,LIFの下流に存在するStat3のリン酸化が検出されたが,Day4+6Dでは見られなかった.②Lifrd/dマウスでは,Day8・10・12の子宮を灌流すると胚盤胞が回収され,子宮上皮でのリン酸化Stat3のシグナルは認められなかった.卵巣除去およびLifrd/dマウスの両方で着床遅延が認められた.また子宮上皮におけるLIFシグナル下流のStat3リン酸化が,子宮の胚受容能獲得に関与していると考えられた.