[IIIYS-06] 豚肉のホームユーステストにおけるサンプル送付方法の違いが嗜好性評価に及ぼす影響
【目的】国産の豚肉の競争力強化が求められている。消費者が喫食する豚肉に対して日常的に評価をフィードバックできれば、生産者は消費者嗜好をリアルタイムで反映した生産が可能となる。家庭における消費者の嗜好性評価データの有効性を検証するためには、消費者が自ら豚肉を調理し嗜好性を評価するホームユーステストの評価条件を確立する必要がある。そこで本研究では、ホームユーステストの実施条件のうち、豚肉の送付方法が消費者の嗜好性評価に影響を及ぼすかを調査した。【方法】消費者が識別可能であると期待できる豚肉サンプルを供試するために、胸最長筋の脂肪含量の差ができるだけ大きくなるように2種類の市販豚肉から供試サンプルを選択した。サンプルの送付方法は2種類の豚肉をまとめて送付する方法(一括送付)と1種類の豚肉を送付し評価終了後にもう1種類を送付する方法(逐次送付)をとった。サンプルを計40名の一般消費者に家庭で1種類ずつ調理、喫食させ、好ましさを8段階で評価させた。得られたデータは一般線形混合モデルを用いて解析した。【結果】サンプル送付方法、および豚肉の種類と送付方法の相互作用はいずれも嗜好性に対する効果として有意ではなかった(P>0.05)。従って、ホームユーステストを実施する際には、一括送付および逐次送付、いずれの送付方法においても同様の嗜好性データが得られるものと考えられた。