The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

4. Morphology・Physiology

形態・生理1

Wed. Sep 15, 2021 8:40 AM - 12:00 PM 形態・生理 (オンライン)

Chairperson:Hideki Ogasawara, Susumu Muroya, Masatoshi Matsuzaki, Ken Kobayashi, Naoki Isobe, Yutaka Suzuki

[IV-15-03] 筋原線維内の太いフィラメントにおけるミオシン分子の置換パターン

*Emi Ichimura1, Koichi Ojima2, Susumu Murya2, Ken Kobayashi1, Takanori Nishimura1 (1. Hokkaido Univ., 2. NARO)

【目的】骨格筋線維に含まれる筋原線維のA帯では300以上のミオシン分子が自己集合した太いフィラメントが規則正しく配列している。私達はこれまでに、筋原線維におけるミオシン分子の置換は太いフィラメント単位ではなく分子単位で起きることを示した。しかし、太いフィラメントのどこからミオシン分子が置換するかは不明である。そこで本研究では、蛍光標識ミオシン分子を用いて太いフィラメントにおけるミオシン分子の挿入・解離パターンを検討した。【方法】鶏胚由来骨格筋細胞にKikGR-ミオシン重鎖(Myh)あるいはHalo-Myhを遺伝子導入後、筋管を形成させた。KikGR-Myh発現筋管において、緑から赤へKikGR-Myh蛍光を変換した後の蛍光変化を観察した。また、Halo-Myh3発現筋管を用いて新規合成ミオシン分子の蛍光パルスチェイスを行った。【結果】KikGR-Myh蛍光変換部の緑蛍光の増加と赤蛍光の減少は同調して変化したことから、ミオシン分子の挿入と解離は同時に起こることが示唆された。Halo-Myh発現筋管を用いた蛍光パルスチェイスの結果、挿入されたミオシン分子の局在を示す赤蛍光ピークはパルスチェイス7分後にA帯の端に認められ、30分後にはそのピークが中央に接近した。以上より、筋原線維の太いフィラメントにおけるミオシン分子の置換はA帯端を起点として起こることが示唆された。