日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理2

2021年9月15日(水) 13:00 〜 14:40 形態・生理 (オンライン)

座長:太田 毅(京大院農)、川端 二功(弘前大農生)、西村 正太郎(九大院農)

[IV-15-27] グァーガム分解物給与が腸内環境悪化モデル産卵鶏の産卵機能に及ぼす影響

*新居 隆浩1、磯部 直樹1,2、吉村 幸則1,2 (1. 広島大院統合生命、2. 広島大畜研セ)

【目的】本研究はグァーガム加水分解物(PHGG)の給与が、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性の腸内環境悪化ニワトリの産卵機能に及ぼす影響の検証を目的とした。【方法】500日齢の白色レグホン産卵鶏に10%PHGG添加飼料(PHGG区)または通常飼料(DSS区)を給与した。全供試鶏に試験飼料給与3日目から9日目まで0.225 g DSS/kg BWのDSSを1日1回、7日間経口投与した。10日目に回腸、盲腸、肝臓を採取し、炎症(IL-1β, -6, CXCLi2)や卵黄前駆物質合成(VLDLII, SREBP-1, -2)に関わる遺伝子発現を解析した。試験期間中は卵を採取し、卵重を測定した。【結果】DSS区ではDSS投与開始から全卵と卵黄重量が減少した。しかし、PHGG区ではDSS投与によってこれらは一時的に低下したが、すぐに回復した。回腸、盲腸、肝臓の炎症性サイトカイはPHGG区で低下した。また、卵黄前駆物質関連遺伝子はPHGG区で低値を示した。私達の過去の研究で、同条件の腸内環境悪化モデルで卵重の減少と共に卵黄前駆物質関連遺伝子がDSS投与で増加したため、今回のPHGG区の減少は正常値に戻ったことを示唆すると思われる。以上の結果からPHGG給与が腸と肝臓の炎症反応を軽減させたことで、肝機能も正常に回復し、結果的に産卵機能も改善したと推察され、PHGGは産卵機能の維持に効果的と期待される。