The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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パラレルシンポジウム

パラレルシンポジウムI
家畜におけるゲノミック評価の現状と今後の展望

Wed. Sep 15, 2021 3:00 PM - 5:00 PM パラレルシンポジウム2(上本) (オンライン)

Chairperson:YOSHINOBU UEMOTO

3:10 PM - 3:40 PM

[PSY1-01] 肉用牛におけるゲノミック評価の実施例

*Toshio Watanabe1 (1. Livestock Improvement Association Japan Inc)

【ゲノミック評価の概要】家畜の遺伝能力値、すなわち育種価の評価法として血統情報と成績記録を利用するBLUP法が育種の現場で現在でも広く利用されている。一方、集団中に一定の頻度で見られるDNA型の変異、すなわち大量のSNP(一塩基多型)情報を利用した新しい遺伝能力評価法が2000年代後半に実用化された。全ゲノムを網羅する4万~5万個のSNPデータを利用したこの新しい手法はゲノム情報を利用するBLUP法の一種であることから、ゲノミックBLUP法と名付けられた。【家畜改良事業団での実施例】当団では2018年より黒毛和種種雄牛の選抜時に枝肉6形質のゲノミック育種価評価を実施している。2019年よりオレイン酸割合など脂肪酸組成の評価も加わった。また当団では農業団体等を窓口として一般の農家の繁殖雌牛のゲノミック評価受託サービスを実施している。約5万頭分の枝肉6形質成績記録を使用した場合の精度は、従来のBLUP法による未経産牛の育種価正確度が0.5~0.6であるのに対し、ゲノミック評価法では0.8程度の正確度を達成している。現在開発中の子牛生時体重ゲノミック評価法についても紹介する。