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[I-16-29] 代用乳中の乳糖含量の違いが乳用子牛の血液、 糞便性状および消化率に及ぼす影響
【目的】本研究では代用乳中の乳糖含量を高めた場合に、血中代謝産物濃度の反応、糞便性状および消化率に及ぼす影響を評価した。【方法】ホルスタイン種子牛雄15頭を乳糖含量の異なる3種の代用乳区[L区(38%)、M区(41%)、H区(46%)]に5頭ずつ配置し4週齢まで試験した。代用乳は1日3回給与し、代謝エネルギーおよび代謝タンパク摂取量と浸透圧が平等になるようにし、自由飲水とした。糞スコアを毎日記録し、14日齢および28日齢に哺乳時刻の30分前から300分後まで15分間隔で採血し、血漿グルコースおよび中性脂肪濃度を測定した。また、乳糖の大腸における過剰発酵を確認するため同時間間隔で呼気を回収し、水素濃度を計測した。同日齢において48時間、糞尿を全量採取して糞pH、乾物・窒素消化率および窒素蓄積量を測定した。【結果】呼気水素濃度はすべての処理区において検出されず、糞スコアおよび下痢日数に処理区間の差はなく、28日齢の糞pHはH区とM区に比べてL区で低かった。哺乳に伴う血漿グルコースおよび中性脂肪の反応曲線下面積、乾物および窒素消化率は処理区間の差がみられなかったが、窒素蓄積量は2週齢と4週齢ともにL区と比較してH区とM区で高かった。以上の結果から、代用乳中の乳糖含量を46%まで高めても、未消化乳糖の大腸での異常発酵やそれに伴う下痢の可能性は少なく、窒素蓄積量が増加することが示された。