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[I-16-31] 養鶏飼料におけるタンパク源の代替としてのシロアリの可能性
【目的】シロアリを養鶏飼料のタンパク源として用いる可能性を成分分析と短期の給与試験から評価した。【方法】奄美大島の琉球松の朽木から採集したオオシロアリを凍結乾燥粉末化し、原物中の一般成分分析、重金属を含むミネラル及びビタミン含量、アミノ酸組成を測定した。8日令の採卵鶏オス20羽を対照区（市販飼料）とシロアリ粉末を3.3、6.7、10％添加した試験区に分けて単飼し、体重と飼料摂取量を記録した。さらに、11日令で筋肉及び肝臓重量と血漿成分を測定した。【結果】シロアリ粉末の成分はCP、EE、CAそれぞれ61.5、15.0、4.9％であった。重金属含量は中毒限界を下回った。アミノ酸含量は魚粉（CP60％）に比べてチロシンが1.8倍多く、メチオニンとグリシンはそれぞれ0.40と0.53倍と低かったが、他項目も総合的に検討して飼料として用いるのに問題ないと判断した。給与試験では、対照区よりも6.7％区で体重および日増体量が高くなる傾向（P＝0.09）があり、3.3%区と10％区で飼料摂取量が6.7％区よりも有意に低くなった（P＝0.02）。筋肉及び肝臓重量に影響は見られなかった。血漿成分は、6.7％区が3.3％区と10％区よりもCa濃度が有意に低かった。これらのことから、本試験で利用したシロアリ粉末は、養鶏飼料として有用で、短期給与においては産肉成績や飼料摂取量に悪影響がないことが示唆された。