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[II-16-37] 次世代シークエンスデータを用いたヤケイにおける内在性レトロウイルス座位の探索
【目的】レトロウイルスが生殖細胞に感染し子孫に遺伝すると内在性レトロウイルス(ERV)となる。本研究では、ヤケイから新規ERVを特定することを目的として実験を行った。【方法】国際塩基配列データベースよりセキショクヤケイ(RJF,n=4)、ハイイロヤケイ(GyJF, n=8)、アオエリヤケイ(GnJF, n=5)およびセイロンヤケイ(CJF, n=10)の次世代シークエンスデータをダウンロードし、参照ゲノム(galgal6)へマッピングした。次にRetroSeqを用いて参照ゲノム上に存在しないERV座位を推定した。推定された領域のうち標的部位重複配列(TSD)を含む座位をIGVによって確認した。TSD近傍のリードに対しCAP3でde novo assemblyを行いLong Terminal Repeatの有無を確認した。さらに各座位のERVの有無から系統樹を作成した。【結果・考察】Gallus属4種合計で1040のERV座位が確認できた。これらの座位のうち5座位はすべての種で確認された。2種間以上で115座位が共通して検出された。また、種に特異的であった座位はRJF, GyJF, GnJFおよびCJFでそれぞれ133, 275, 217および300座位であった。系統樹は過去に報告のある樹形と一致しておりERV座位から過去のヤケイ集団間の関係を推定できる可能性が示唆された。