4:20 PM - 4:30 PM
[III-16-29] 日本ザーネン種ヤギにおける異なる乳タンパク質生産量での血漿成分の相違
【目的】家畜改良増殖目標ではヤギの泌乳能力向上が示されているが、乳加工に重要な乳タンパク質(MP)の生産量と血漿成分の関係は不明確な面がある。そこで日本ザーネン種での異なるMP生産量と血漿成分の関係を調べた。【方法】家畜改良センター茨城牧場長野支場の日本ザーネン種泌乳ヤギ20頭を供試し、4~11月の毎月、乳量を記録、乳と血漿の成分を測定し、分娩後日数と1日当たりMP生産量の近似曲線を作成した。MP生産量(実測値)が近似値より5%以上低い群(L区)、実測値が近似値より5%以上高い群(H区)、実測値と近似値との差が5%未満の群(M区)に分けて、血漿成分を比較した。【結果】異なる産次(1~4以上)で決定係数が0.59~0.67の近似曲線を得た。血漿中の総タンパク質(TP)は1および4産次以降でH区が他区より高く(7.6 vs. 7.3 (M区) および7.9 vs. 7.4 (他区平均) g/dL)、血中尿素窒素(BUN)は2または3産次でH区がL区またはM区より低かった(20.2 vs. 23.7(L区)または19.3 vs. 23.4(M区) mg/dL)。アルブミン、グロブリン、総コレステロールはH区が他区より高い産次が存在したが、トリグリセリドとグルコースは区間差がなかった。MP生産量が高い場合、TP上昇とBUN低下の傾向が示された一方、異なるMP生産量でエネルギー関連の血漿成分に大きな相違はなかった。