The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Presentation information

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演3(畜産物利用、畜産経営)

Thu. Sep 15, 2022 9:00 AM - 10:45 AM Zoom会場3 (オンライン)

Chairperson: Jun-ichi Wakamatsu, Tadashi Nakamura, Kenji Fukuda, Takeyuki Ozawa(Nippon Veterinary and Life Science University)

9:15 AM - 9:30 AM

[IIIYS-02] 社会的敗北ストレスにおけるナイアシンアミドの脳機能障害予防効果について

*Naho Koitachi1, Shogo Kiyota1, Toshiya Hayashi1, Mao Nagasawa1 (1. Meijo Univ.)

【目的】世界で約2億8000万人のうつ病患者が存在する中、現段階では根治が見込める治療薬の開発が難航しており、予防法の確立が急務とされている。そこで、畜肉に含まれ、且つ抗炎症作用を有し、脳機能の改善が期待されるナイアシンアミドの摂取が社会的敗北ストレス誘導性の脳機能障害を予防できるか検証した。【方法】C57BL/6Jマウスに10日間の社会的敗北ストレスを負荷した。その後、社会的相互作用試験ならびに高架式十字迷路試験を行い、海馬のトランスクリプトーム解析を実施した。次に、BALB/cマウスを用いて、蒸留水またはナイアシンアミドを14日間経口投与し、その後はそれぞれを経口投与した1時間後に社会的敗北ストレスを10日間負荷した。その後、社会的相互作用試験、高架式十字迷路試験、および強制水泳試験を行った。なお、対照群は蒸留水の投与のみとした。【結果及び考察】C57BL/6Jマウスにおいて、社会的敗北ストレスは神経新生の誘導に重要なERK経路等を障害させることで社会性の低下を誘導する可能性が示唆された。また、BALB/cマウスにおいて、ナイアシンアミドの摂取は社会的敗北ストレス誘導性の脳機能障害を緩和できることが明らかとなった。本研究では、ナイアシンアミドが含まれる畜肉の摂取は、ストレス誘導性脳機能障害の予防に有効である可能性が示された。