日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理1

2022年9月16日(金) 09:00 〜 12:00 Zoom会場4 (オンライン)

座長:太田 毅(京大院農)、豊後 貴嗣(広大院生物圏)、川端 二功(弘前大農生)、杉山 稔恵(新潟大学農学部)、鈴木 貴弘(九大院農)、落合 優(北里大学獣医学部 動物資源科学科 栄養生理学研究室)、盧 尚建(東北大学・大学院農学研究科)

09:40 〜 09:50

[IV-16-05] ウシ酸味受容体Otopetrin-1の機能

*川端 二功1 (1. 弘前大農生)

【目的】ウシはサイレージ等の酸性の餌を食する機会が多い。また、反芻によりルーメンからも口腔組織に酸物質が流入する。ウシはこれらの酸物質を味蕾に発現する酸味受容体において受容していると予想されるが、ウシにおける酸味受容体の機能は良くわかっていない。本研究では、ウシ酸味受容体候補Otopetrin-1(Otop1)に着目し、Otop1の酸刺激に対する応答を明らかにすることを目的とした。【方法】ウシOtop1遺伝子の配列情報を元に、ウシOtop1を挿入したプラスミド(cowOtop1/pcDNA3.1(+))を作製した。コントロールとして空ベクター(pcDNA3.1(+))を用いた。これらのプラスミドをヒト胎児腎臓由来細胞(HEK293T細胞)にトランスフェクションし、パッチクランプ法及び膜電位アッセイ法により種々の酸物質に対する応答性を評価した。【結果】ウシOtop1を発現させた細胞では、塩酸のpHが下がるほど電流応答が大きくなることをパッチクランプ法で確認した。また、ギ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸等の飼料中やルーメン内に存在する酸物質によってもウシOtop1が活性化されることを膜電位アッセイ法で確認した。【まとめ】ウシOtop1が種々の酸物質を受容する機能的な酸味受容体であることが示唆された。