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[IV-16-07] 骨格筋の部位に準じた衛星細胞の特性を分化誘導過程において比較する
【目的】筋幹細胞(衛星細胞)は同一筋線維上であっても、新生筋線維(筋管)形成のために活性状態にあるものや、休止状態を維持しようとするものが混在する機能的不均一性を示す。本研究では、マクロな視点から衛星細胞の不均一性を捉えるため、骨格筋部位という比較基準の元で細胞動態制御因子の発現プロファイルを行なった。【方法】C57BL/6成熟雄マウスの横隔膜、脊柱起立筋群および腓腹筋のそれぞれより単離した衛星細胞の初代培養系を分化誘導し、筋形成に重要な役割を担う転写因子群MRFs(MyoD, myogenin, Myf5)とmyocyte enhancer factor 2(MEF2A, 2C, 2D)、および自己複製関連因子(Notch-1, -2, Rbp-J)の発現パターンを比較した。【結果】横隔膜より単離した衛星細胞では、分化誘導過程におけるMRFsならびにMEF2サブタイプの発現量が、他の筋部位由来の細胞より安定して低い傾向にあった。一方で、Rbp-Jの発現量に関しては横隔膜の衛星細胞で高いことが認められた。なお、我々は本研究で用いた筋部位それぞれの衛星細胞間で、筋管形成能には差が認められないことを確認した(第128回大会にて報告)。よって、横隔膜に局在する衛星細胞は、幹細胞プールの高い維持機構を有し、かつMRFsおよびMEF2非依存的に筋分化する特性があると推測された。