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[IV-16-22] 産卵鶏の成熟に伴うエンドサイトーシス受容体を介したビタミンD代謝調節機構に関する研究
【目的】産卵鶏における特異的なカルシウム(Ca)代謝は、ビタミンDによって制御されている。ビタミンDは、肝で25-OHDへ、腎を経て活性型ビタミンD(1,25-OHD)へ代謝され、生物学的活性を有する。本研究では、エンドサイトーシス受容体であるメガリン(Meg)とクビリン(CUB)の腎臓での発現と局在を明らかにし、成熟に伴うビタミンD代謝における腎でのビタミンD代謝について検討した。【材料と方法】未成熟鶏ならびに産卵鶏を用い、血清の1,25-OH2D濃度を計測した。腎臓については、免疫組織化学法によりMegおよびCUBタンパク質の局在を観察した。また、リアルタイムPCR法により、MegならびにCUBのmRNAの相対的発現量を検討し、成熟に伴うそれぞれの発現量の相違を比較した。【結果と考察】血中1,25-OH2D濃度は、産卵鶏で増加した。MegならびにCUBは、未成熟鶏ならびに産卵鶏の近位尿細管上皮細胞の刷子縁に共局在していた。MegおよびCUB mRNA相対的発現量は、未成熟鶏と比較して産卵鶏で増加した。以上の結果より、産卵鶏では腎近位尿細管において、成熟に伴いMegおよびCUBの発現が増加して25-OHDのエンドサイトーシスが亢進した後、1α-水酸化酵素によって1,25-OH2Dへの代謝が増加し、産卵期におけるCa代謝を調節していることが示唆された。