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[IV-16-27] 乳用子牛における代用乳の乳糖含量が腸管透過性および肝臓の炎症性サイトカインmRNA発現量に及ぼす影響
【目的】本研究では、乳糖含量の増加による腸管の透過性上昇の可能性を明らかにするために腸管のルシファーイエロー(LY)透過性を測定した。また、炎症反応の指標として肝臓の炎症性サイトカインmRNA発現量を調べた。【方法】ホルスタイン種雄子牛15頭を、乳糖含量の異なる3種の代用乳給与区[L区(38%)、M区(41%)、H区(46%)]に5頭ずつ配置した。初乳給与翌日の1日齢から代用乳を1日3回給餌し、自由飲水とした。30~36日齢に安楽殺し、腸管を十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸近位、結腸遠位の6部位に分け、Ussing chamberを用いてLY透過性を測定した。また、肝臓のInterleukin6(IL-6)、IL-1β、Tumour Necrosis Factor alpha(TNF-α)、Toll-like receotor2(TLR-2)、TLR-4のmRNA発現量を測定した。【結果】LY透過性は十二指腸および回腸においてL区に比べM区とH区で低く、空腸ではL区に比べH区で低かった。肝臓のmRNA発現量は、IL-1β、TNF-α、TLR-2でL区に比べM区とH区で低かった。TLR-4はM区に比べH区で低かった。IL-6は発現量が少なく、検出できなかった。以上より、乳糖含量を46%まで増加させても腸管の透過性は上昇せず、むしろ小腸では減少する可能性が示唆された。