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[IV-16-30] 初乳中ホルモン濃度とめん羊産子の哺乳中増体の関連
【目的】初乳中成分が産子の発育あるいは生理機能の発達に不可逆的な影響を及ぼすラクトクライン仮説が注目されているが, 家畜動物の出生後の発育と初乳中ホルモン濃度との関連を解析した研究は見当たらない. そこで, 初乳中代謝成分およびホルモンを定量して, 産子の哺乳中の体重データとの関連を解析した. 【方法】同一種雄羊と交配後, 自然分娩したサフォーク種母羊から, 分娩後できるだけ速やかに初乳サンプルを採取した. 産子は出生から56日齢の離乳まで自然哺育した. 初乳サンプルは, グルコース, NEFA, コルチゾール, インスリン, IGF-I, レプチンおよびアディポネクチン濃度を測定し, 初乳中成分濃度と産子の生時体重と離乳までの増体との相関分析を行った.【結果】30腹の分娩で得られた出生時生存産子44頭ならびに自然哺育で離乳を迎えた産子37頭を対象とした. 哺乳中の平均日増体量と初乳中レプチンとの間に有意な正の相関関係がみられた(r = 0.341, P < 0.05). 生時体重と初乳中インスリンとの間にも正の関連が認められた(r = 0.284, P = 0.062). また, 哺乳中の平均日増体量と生時体重との間に高い正の相関関係がみられた(r = 0.552, P < 0.001). 妊娠中の母畜の栄養状態が初乳中成分や胎子発育に反映され, さらには哺乳中の増体速度にまで影響を及ぼしうるものと考えられた.