The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Presentation information

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用1

Fri. Sep 16, 2022 9:00 AM - 12:00 PM Zoom会場5 (オンライン)

Chairperson: Kenichiro Shimada, Yasuhiro Funatsu(Department of Food Science and Human Wellness, Rakuno Gakuen University), Ai Egusa, Shiro Takeda, Kenji Fukuda

10:10 AM - 10:20 AM

[V-16-08] ブロイラーの筋肉および可食部位の経時的なうま味強度の変化

*Yui Sasano1, Taiji Tomemura2, Miki Tsuihiji1, Masumi Ishida2, Ai Egusa1 (1. Nippon Veterinary And Life Science Univ., 2. Torikizoku Holdings Co., Ltd.)

【目的】一般的に「うま味強度」はグルタミン酸濃度とイノシン酸濃度の掛け合せで算出される。そこで、家禽肉におけるグルタミン酸とイノシン酸の増減について各組織での比較を行い、最も適した熟成期間について検討を行った。【方法】ブロイラー(チャンキー種)は各部位(ムネ肉/モモ肉/ササミ/肝臓/心臓/砂肝/手羽先/手羽元/せせり/はらみ/皮/テール/やげん/ひざ軟骨)に解体精肉後、プラスチック製バックに包装し、試験に供するまで5℃で保管した。屠鳥日をDay0とし、Day2からDay6までの5時点の検体を試験に供した。各検体の遊離アミノ酸量とイノシン酸量を定法に従って定量し、各々の増減に関わる酵素活性を調べた。【結果】ムネ肉やモモ肉など骨格筋系の部位は、経時的にグルタミン酸量が増加し、結果として「うま味強度」は1.8倍に増加した。これに対し、砂肝や心臓ではDay2の時点でムネ肉やモモ肉に比べて約3倍の高いグルタミン酸量を示し、経時的な変化は殆ど認められなかった。各組織のアミノペプチダーゼ活性は試験期間中に微増、若しくは有意に増加した。一方、イノシン酸の分解能は経時的に微減する傾向が認められ、組織によっては酵素活性が半減した。これらの結果から、組織によって経時的なうま味強度の変化は異なり、各部位の特性に合わせた熟成期間を設定することで、うま味強度を最大化させられることが明らかとなった。