The 130th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用1

Fri. Sep 16, 2022 9:00 AM - 12:00 PM Zoom会場5 (オンライン)

Chairperson: Kenichiro Shimada, Yasuhiro Funatsu(Department of Food Science and Human Wellness, Rakuno Gakuen University), Ai Egusa, Shiro Takeda, Kenji Fukuda

11:30 AM - 11:40 AM

[V-16-16] チーズ製品に関連するカビから得られる炎症性サイトカイン産生抑制効果を有する化合物の探索

*Atsuhiro Sato1, Ayaka Nakamura2, Shota Watanabe2, Kanna Sato2, Wataru Mizunoya1, Shinji Kamisuki1, Shiro Takeda1 (1. Graduate School of Azabu Univ., 2. Azabu Univ.)

【目的】本研究は、チーズ製品に関連するカビが産生する二次代謝産物に注目し、生理活性作用として炎症性サイトカイン産生抑制作用について検討した。
【方法】各種カビタイプの熟成チーズよりPDA培地でカビを単離し、リボソームDNAのD1/D2領域とITS領域の解析より菌種の同定を行った。単離菌株及び市販のカビスターター株をPDB及び脱脂粉乳培地で培養し、培養上清を回収した。酢酸エチルで培養上清の粗抽出を行い、各種有機溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物の分画を行った。各分画試料をLPS刺激したRAW264.7細胞からのIL-6産生抑制試験に供試した。効果が認められた画分について、NMR分析および質量分析により構造解析を行った。
【結果】ゴルゴンゾーラから分離したPenicillium(P.) roqueforti菌株(G1)のPDB培養液より得た画分(AN58)とP.roquefortiスターター菌株の脱脂粉乳培養液より得た画分(AN178)でIL-6産生抑制効果が認められた。NMR分析を行い、AN58よりカビの二次代謝産物としてpseurotin Aを認めた。従って、G1株はpseurotin Aを産生する機能を有し、チーズ熟成中においても同成分を産生している可能性が考えられた。また、AN178ではアシルグリセロールと思われる化合物が認められた。